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トコロバ現在たった一人の女性奨励会員…竹内優月女流2級はなぜ棋士になりたいのか2024年9月16日 10時0分スポーツ報知将棋界の話題を取り上げる「王手報知リターンズ」第14回は、8月に棋士養成機関「奨励会」 トコロバ

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現在たった一人の女性奨励会員…竹内優月女流2級はなぜ棋士になりたいのかスポーツ報知
奨励会に入会した竹内優月女流2級(カメラ・瀬戸 花音)

 将棋界の話題を取り上げる「王手報知リターンズ」第14回は 、現た8月に棋士養成機関「奨励会」の入会試験に合格した中学2年生の竹内優月(ゆづき)女流2級(13)が登場 。ったはななりたいのか現役の女流棋士の合格は 、人の2011年の福間香奈女流五冠(32)=女流名人 、女性女流清麗、奨励2級女流王座、竹内トコロバ女流王位 、優月倉敷藤花=以来 、ぜ棋13年ぶり 。士にたった一人の女性奨励会員である竹内は今 、現た棋士を目指してスタート地点に立っている 。ったはななりたいのか(瀬戸 花音)

 名前の由来は、人の「月のように優しい子に」という思い 。女性女流「気に入っています。奨励2級うるか owすごく目立ちたがり屋とかでもなくて 、竹内むしろ人見知りだし 、緊張しちゃうことのほうが多いので…。私らしい名前だなって」  。ふわりと笑う竹内だが、強く抱く夢がある 。

 女流棋士と棋士は別の制度だ。棋士は「奨励会」で昇段して過酷な三段リーグを突破するか、厳しい条件をクリアして棋士編入試験に合格しないとなることができない。江戸時代から続く将棋の長い歴史の中で 、「女性棋士」はいまだ一人も誕生していない。それどころか、「奨励会」に入る女性すらほとんどいないという現状がある 。なぜ奨励会を受験したのか。竹内の答えは明快だ 。「棋士になることが夢だからです」

 小学1年生の頃 、テレビでやっていたNHK杯将棋トーナメントをたまたま見た。「なんか面白そう」という純粋な思いから、両親にルールを教えてもらい 、のめり込んだ  。近所の教室に通うようになり、「覚えている限り人生で初めての夢」だという「棋士になりたい」という思いも芽生えた。

 将棋以外の習い事もほとんどやったことがない。書道は習っていた時期もあったというが、それも「棋士になった時のことをちょっと考えていて…」とプロになって色紙に揮ごうする時のためのものだった  。「なんか 、学校の書道の時間に、多分『一』って書いたと思うんですけど、それを母が見て 、なんかすごいひどかったみたいで 。あまりにもひどいから、習ってみたらって勧められたのもありますけど(笑い)」

 今年3月 、女流棋士となった時も特別な歓喜はなかった 。「将棋を始めた時からずっと、棋士になりたいと思っていました。だから 、女流棋士になった時にも特別すごくうれしいというのはなくて… 。今やっとスタートラインに立てたなと思っています」

 そして今年8月、奨励会を受験した 。受験生同士で戦う一次試験が2日間、奨励会員と戦う二次試験が1日、3日連続で対局を行う。一次試験の2日間は前日 、カツ丼を食べて対局に臨んだ 。が  、「さすがに3日連続カツ丼はきつくて…」と二次試験の前にはうなぎに切り替えた 。それが功を奏したのか 、二次試験も見事突破 。「正直、今年は受かるとは思っていなかったのでうれしかったです」

 合格が決まった当日、師匠の武市三郎七段(70)に電話をかけると「まだこれからだから引き続き頑張っていきましょう」と声をかけられた。師匠も弟子の夢を理解しているのだろう 。「なんか特にそんなにいつもと変わらない感じでした」

 今まさに 、「女性棋士」の扉をこじあけようとしている先輩がいる。西山朋佳女流三冠(29)が棋士編入試験五番勝負に臨んでおり、第1局で勝利  。あと2勝で女性初の棋士が誕生する 。「同じ女性で棋士を目指してる人がいるとやっぱり自分もできるんじゃないかとか 。少し自信にはなるというか。前を歩んでいる先輩がいると、かなえられるんじゃないかって思えるようになるなって」

 現状、竹内が所属する6級から最上位の三段まである奨励会で、たった一人の女性だ 。「少しはやりにくい部分もあるのかなとは思います」としながらも 、まっすぐに追い続ける夢 。なぜ棋士になりたいのか。「強くなりたいっていつも、ずっと前から思ってる。棋士になるにはやっぱり強くなっていかないとなれないので 、自分の限界を超えるぐらい強くなれるように。だから、棋士になりたいんだと思います」

 夢追う中学2年生の好きなものはアンパンマン。一度卒業していたというが小学5年生で再燃 。「対局にも必ずアンパンマンのタオルを持って行ってます 。つらい局面でアンパンマンをみて、パワーをもらうんです」。まだわずかに幼さの残る丸い瞳は、まっすぐに前を見つめていた。

◆“推し棋士”は佐藤天彦九段 終盤粘り強い棋風を尊敬

 棋士で一番好きなのは佐藤天彦九段(36)です。天彦先生は終盤が粘り強い棋風で、そういうところをとても尊敬しています。

 自分も棋風としては、詰将棋をたくさん解くのが好きなので 、終盤型、終盤で力を発揮するタイプなのかなと思っています 。それなので 、佐藤天彦先生のように終盤で強い感じで指せればいいなと思っています。

 あとは普段は棋譜中継されている棋譜を並べるだけでなく、大山康晴十五世名人の棋譜をよく並べています 。昔の棋譜を並べると、序中盤の感覚が身につくような感じがしていて 、続けています  。(談)

 ◆竹内 優月(たけうち・ゆづき)2011年1月5日 、東京都中央区出身。13歳。23年1月 、小学6年生で関東研修会に入会(C2クラス)。同年7月、C1クラスに昇級。24年2月11日の例会において、12勝4敗の成績でB2クラスへの昇級を果たし 、プロ入り決定。同年3月、女流2級に。武市三郎七段門下。好きな科目は数学。

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